「1日単位」の募集

「daywork」の最大の特徴は1日単位の募集である。人を雇いたい農家と働きたい人が、それぞれインターネット上のシステムに無料で登録を行う。農家は人手がほしい日にち、賃金、作業内容などを書き込み、それを見て働きたい人が申し込む。これまでも似た仕組みはあったが、募集は1〜2週間単位が通常で、応募者は定年退職後の高齢が主であった。最も労働力が必要な収穫時期は他の農家とも重なるため、人手確保は難しかった。一方、1日単位で募集する「daywork」では、学校や仕事の休みを利用して申し込む高校生、主婦、会社員など、10代〜40代が多く、これまで取り込めなかった労働力が集まるという。
信頼性を可視化するシステム

1日単位の募集とすることで、作業の勝手が分からない未経験者が多くなることも考えられるが、アプリ上で作業動画や図を豊富に掲載することで予備知識をもってもらい、農家の事前指導の手間を抑えている。原社長は「未経験者の不安も解消でき、より申し込みやすくなる」という。また、システム上で相互評価の仕組みも導入。農家は働きぶりを、アルバイトは作業の教え方対応などをお互いに評価して、作業後に入力する。評価は他の農家やアルバイトも見ることができ、募集や応募の参考にできる。信頼性を可視化することで、初対面でのお互いの不安を解消する。評価の高い農家は人手を集めやすく、アルバイトは希望の作業を得やすくなる。
「daywork」利用農家の声

北海道幕別町、小田嶋農場の小田嶋知之さん
「派遣会社だと中々求めている人材の人数を確保し難いという問題がありましたが、その派遣会社よりも人を確保しやすいのは一番大きなメリットかなと思います。」
「daywork」利用者の声

大寺小霧さん
「副業でちょっと空いた時間に使わせて貰っているという感じです。農家さんの方で詳細にこういうことやりますよって書いてくださってるところも多いので、それを見てどういうことをやるのかなってイメージは大体掴めるかなと。初心者でも不安は無いかなと感じました。」
このプロジェクトが描く今後のビジョン

全国に広がりつつある「daywork」、原社長はこう語る。「dayworkは現在、農業だけではありますが他の産業、例えば林業ですとか水産業もそうですよね。そういう一次産業に関わる方々みんなに使って頂くようにしたいと思っています。前に突き進んで日本中にこの仕組みを普及したいなと思っています。」
1日だけ人手が欲しい...1日だけ働きたい...マッチングサービスの新しい形によって、農業の未来を変えるワンデイが訪れる日を目指して挑戦は続いていく。