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農業

つくる人と、つくる人を、つなぎたい。

株式会社 ABC Cooking Studio

株式会社 ABC Cooking Studioの動画(2015年6月撮影)

料理教室を通じた生産者と消費者"食べる人"を繋げる新しい関係

国内外で広く料理教室を展開するABC Cooking Studio(以下「ABCクッキングスタジオ」)。今年から、レッスンで使う食材を厳選し、地産地消を料理教室から広げていくプロジェクトを進めていく。まず、JA全農と連携し、年間約350万食分行うレッスンの一部から、「地産地消」「国際食材の多用な利用」を促進する。料理教室で料理を学ぶ生徒を通じた食べる人(消費者)と生産者の直接的な新しい関係を作り出そうとしている。

助成対象事業の
評価ポイント

このプロジェクトは、農"外"の企業からの「農林水産業への貢献」策として、料理教室に通う人々に国内農産物の"良さ"を伝えることで、その生徒が家庭に持ち帰り、最終消費者(家庭の食べる人)まで直接伝えていく取組みです。
農林水産業の発展に向けた"広がり"の可能性が認められ、その活動を後押しすることにしました。

地場産食材の美味しいレシピを紹介し、
「家庭のつくる人」と「農作物を作る人」を繋ぐ

地場産食材の美味しいレシピを紹介し、「家庭のつくる人」と「農作物を作る人」を繋ぐ イメージ

「料理教室で使用する食材を可能な限り地場産に切り替え、地産地消にこだわることで、各地域の食材の良さを情報発信していく場にしていきます。レッスンを通じて国産農畜産物の魅力を伝え、日本の第一次産業を応援していきたいと思います」
5月31日、地産地消と国産食材の多用な利用の促進をめざし、JA全農との相互連携に関する覚書の調印式でABCクッキングスタジオの櫻井稚子(さくらい・わかこ)社長は、そう宣言をした。

その後、東京丸の内の会場に訪れていた100名ほどの生徒たちに、会場の地場産にあたる八王子産の豚肉、世田谷産のいちごなどの東京産食材を使った料理レッスンと試食も行われた。東京における農業の現状を生産者から説明を受けながら、そこで収穫された豊かな食材を使った料理を堪能した参加者からは感嘆の声があがっていた。

参加した主婦の1人は、「家庭で料理を行う際に、食材はもっとも気になるところです。地産地消は大変興味がありますので、今回の取り組みは本当に素晴らしいと思います。また、住んでいるところがこれほど豊かな食材の産地であることを改めて教えていただき、積極的に買い求めていきたい気持ちになりました」と感想を話してくれた。

今年で30周年を迎える同社では、可能な限りレッスンで使用する食材を地場産に少しずつ切り替えることで、トレーサビリティの徹底を目指し、各地の地産地消の推進と情報発信に取り組んでいく。この日は、そのスタートの場となった。

料理を大切にする声が地産地消を広める原動力に!

料理を大切にする声が地産地消を広める原動力に! イメージ

ABCクッキングスタジオがこの取り組みをはじめた背景には、消費者の食材への関心の高まりがある。最近では、生徒からも調理する食材に安心安全を求め、トレーサビリティにこだわる声が高まっているという。

また生徒の意識の変化もある。かつては花嫁修業のひとつだった料理教室だが、最近は「料理が好きだから上手になりたい」、「もっと深く料理を学びたい」と自分のために通ってくる人が多い。体験したことをブログやSNSを通じて発信したい、身につけたことを誰かに見てほしい、伝えたいという気持ちも強く、拡散力があるのも特徴だ。

そういった生徒たちがABCクッキングスタジオで地場の食材とそれを使ったレシピ「美味しいものと美味しい食べ方」を学び、地産地消を広めていく原動力となることもこの取り組みでは期待されている。
「旬の食材にあったレシピを考案し、伝えるだけではなく、価値を見極める力を持った消費者を育てることが第一次産業を応援することにつながるのではないでしょうか。生産者が誇りを持って作った食材を一番おいしく調理できる仕組みを考えて発信していきたいと思います」と櫻井社長は抱負を語ってくれた。

第一弾の取り組みがJA全農と連携して進める「地産地消」をテーマにした1dayレッスン。東日本各地の料理教室から展開される計画だ。メニューは野菜栽培が盛んな地域なら野菜中心に、山間部ならキノコや山菜を使用するといった具合に各地の旬の食材を生かしたレシピを考案し、地場産の食材の情報と共に生徒に伝えていく。

料理教室を生産者と消費者が出会うプラットフォームに!

料理教室を生産者と消費者が出会うプラットフォームに! イメージ

ABCクッキングスタジオでは、今後、1dayレッスンの取り組みを浸透させながら、使用する食材を地場産に切り替えていく予定だ。すべての講座で地場産の食材を仕入れ、レシピを地域ごとに考案し、生徒に食材に合わせたメニューを提案することを目指している。JA組合員である生産者が料理教室の生徒と一緒に料理を行うなど、生産者と生徒が直接交流する機会を作っていき、更なる「顔の見える関係」を強めながら、生徒それぞれの「地場産の良さ」に対する意識を高めていくことを進めていく予定だという。みらい基金からの助成金は、地産地消活動の推進や、各地の食材の良さなど広く伝えるための活動に使われ、国産農畜産物の消費拡大と農業の発展に向けたみらいを料理教室から応援していく。

言葉にすると簡単に思えるが、同社の食材仕入れ先は全国で合計1,000先を超えており、それを把握した上で整理していくのは容易なことではない。それでもこの取り組みに踏み切るのはなぜだろう。

「非効率にこそ、生徒の求める答えがあると思います。単純に効率だけを求めてしまうと個々人が大切にしているニーズには対応できません。本当に良い食材を選び、価値を伝えようと思ったら、労力はかかります。しかし、厳選した食材を使っていき、その価値と共にレシピを伝えていくことで、生徒の満足度が高まり、食材の良さが広まっていくことを当社としては期待して取り組んでいきます」
と櫻井社長は語った。

一連の取り組みには、連携先のJA全農からも期待が寄せられている。JA全農の営農販売企画部開発企画室長である小里司(こざと つかさ)さんはこう話す。
「ABCクッキングスタジオの生徒の皆さんに地場産の食材を生かした料理や、生産者との交流を通じて、日本の農作物の良さをたくさんの人に知ってもらえる素晴らしい機会になると期待しています。もちろん、JA全農もレッスンで使用するための素材をトマト1つ、キュウリ1本からでも届けられるような体制を作り、バックアップをしていきたいと思っています」

料理教室が、生産者と消費者が出会うプラットフォームとなり、顔の見える関係を作りながら、国産食材の価値を発信していくことで、農業の未来を明るくしていくための新しい取り組みの第一歩が、着実に踏み出されつつある。

助成先の組織概要

株式会社 ABC Cooking Studio

社員数 2,431名(2015年5月現在)
教室数 全国135スタジオ 海外14スタジオ(2015年5月現在)
生徒数 アクティブ会員 28万人
累計会員 100万人以上
年間350万食のレッスンを展開している

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