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助成先のご紹介

株式会社グリーンズ北見

未来は、たまねぎの中にある。

地域ブランド戦略で日本一のたまねぎ産地をさらなる高みへ

北海道北見地域は日本最大のたまねぎ産地だが、「北見」に焦点があたる前に、「北海道産」と一括りにされることも多い。生産者の所得向上に向けて「北見たまねぎ」がブランドとして十分な付加価値を生み出していけるように、地元のたまねぎ加工会社「株式会社グリーンズ北見」は、一般消費者向けの商品を開発し、JAや行政と連携しながら認知拡大につなげる取り組みをスタートさせた。「北見たまねぎ」のブランド力の向上を図り、生産者とともに産地の維持振興を目指していく。

助成対象事業の評価ポイント

当社は、タマネギの国内最大生産地である北海道北見地域で、年間約18,000トンの域内タマネギをオニオンソテーやコロッケ、スープに加工して、主に業務用(企業向け)として全国に出荷してきました。
このプロジェクトでは、日本の原料供給基地である北海道において、自らが前面に立ち、市場ニーズ調査と加工力強化による“ブランド化”で、農作物の付加価値の向上を目指し、最終消費者である“家庭”まで直接訴えていくことが企図されています。
これにより、生産地が消費者と直接繋がりを持ちながら、消費を拡大し(需要を喚起し)、生産量の増加(供給量の増加)を追求していく、という原料供給基地におけるモデルとなり得る可能性が認められましたので、当基金から後押しを行っています。

株式会社グリーンズ北見の動画(2016年8月3日、4日撮影)

たゆまぬ努力でつくられた日本一のたまねぎ産地

東はオホーツク海、西は大雪山の麓まで、東西110kmに広がる北海道東部の主要都市、北見市。戦前は世界一のハッカ(ミント)の産地だったが、合成ハッカや海外産に押されて生産が縮小。それに変わる農産物としてたまねぎが定着した。日照時間が長く、降水量が少なく、昼と夜の気温差が大きい気候が、たまねぎの生産に向いているという。

しかし、北見市は札幌や東京などの大消費地から遠いため、輸送時間がかかるなど不利な面もあった。そのため、長期間保存ができ、輸送時にも傷がつきにくいように品種改良を重ねることで、全国に流通させやすい品種をつくりあげた。

たゆまぬ努力でつくられた日本一のたまねぎ産地 イメージ

JAきたみらい販売企画部 たまねぎグループ調査役の坂下さんは、「この地域が日本一のたまねぎ生産地になったのは、生育や収穫の時期が異なる品種を組み合わせながら、日本全国のニーズに応えられるよう工夫してきたからです」と話す。

生産者とJA、民間企業との連携も盛んである。例えば、若手のたまねぎ生産者約290名が集まる「北見地区玉葱振興会青年部」では、農閑期に勉強会がおこなわれ、品種比較試験や肥料改良試験などが実施されている。害虫や病気を予防するための情報も素早く共有。生産者が発案者となっておこなう会合も多い。

この地域で13ヘクタールのたまねぎ畑を経営している西川農場の西川さんは、「いつも考えているのは、最後の最後まで気を抜かずに、安心・安全・高品質のたまねぎを、安定して出荷していくことです。全国のみなさんに、満足していただけるものをお届けしていきたいと考えています」と語る。

たゆまぬ努力でつくられた日本一のたまねぎ産地 イメージ

北見ブランドのたまねぎを消費者の食卓に届けたい

北見地域ではたまねぎの生産量が多い分、売り物にならない規格外品も多い。その規格外品を加工し付加価値をつけるために、昭和62年に、地域のJAと北見市、民間企業による第3セクター方式で株式会社グリーンズ北見が誕生。現在では、規格外品に加えて契約栽培のたまねぎも加工し、主に食品メーカーや外食チェーンなどの企業向けに出荷している。

北見ブランドのたまねぎを消費者の食卓に届けたい イメージ

製品はレトルトカレーの具、ハンバーグ、スープ、ソース、調味料やドレッシングなどに使用され全国に流通しているが、北見産として焦点があたることは少なく、一般消費者は北見たまねぎが使われていることを知らない。グリーンズ北見の営業開発部一課 課長補佐の丸山さんは、「展示会などで『日本一の北見たまねぎを使った商品です』とPRしても、『たまねぎと言えば佐賀とか淡路じゃないの?』などと言われることがあります。生産量が日本一なのに知られていないんですよ」と悔しがる。

北見ブランドのたまねぎを消費者の食卓に届けたい イメージ

また、加工用として大量に輸入されている中国産たまねぎの脅威も無視できず、輸入品との差別化も喫緊の課題だ。北見たまねぎの付加価値を高めることで、日本一の産地を守りたい。そんな思いから、グリーンズ北見は「北見ブランド」を全面に押し出した一般消費者向けの製品を増やすことにした。

代表的な製品の一つが、具の約7割がたまねぎという「たまコロ」という名前のコロッケ。すでに新聞や雑誌などでも取り上げられ、話題づくりに一役買っている。北見市と連携し、学校給食のメニューに加えてもらい食育につなげたり、地域のイベントで販売したりしてPRを進めているところだ。また、全国コロッケフェスティバルなど道外のイベントにも出場し、メディア露出を増やしていく予定だ。

北見ブランドのたまねぎを消費者の食卓に届けたい イメージ

30年以上の歴史がある看板製品の「オニオンスープ」は、道内の百貨店やスーパー、全国の北海道物産展などですでに流通しており、北海道のエアラインAIR DOの機内でも提供されている。新しく導入するフリーズドライの技術を使って、深みのあるたまねぎの味と歯ごたえを楽しめるプレミアムなスープを追加し、ブランドイメージの向上を目指す。

そして、これまで業務用製品として実績のある、みじん切りにしたたまねぎや飴色に炒めたたまねぎを冷凍した製品を、一般消費者にも販売する。「たまねぎは和・洋・中どんな料理にも使用され、欠かせない食材のひとつです。冷凍たまねぎは、料理の手間が減る便利な製品。しかもそれが輸入品でなく、北海道北見のたまねぎとわかれば消費者に安心してもらえるはず。しっかりと市場調査し、量や価格を慎重に検討しながら展開します」と丸山さんは話す。

北見ブランドのたまねぎを消費者の食卓に届けたい イメージ

「生産側からしても、北見たまねぎをブランドとして発信していただくことは大いに期待するところ。生産者の所得の安定、地域では雇用の創出の面で貢献していただくことになると思います」と坂下さんは語ってくれた。

ブランド力の向上は、生産者の生きがい向上に比例する

生産者とJA、種苗会社や農機具メーカー、そして行政など、さまざまな人たちの協力があって実現したたまねぎ生産量日本一。自慢のたまねぎをもっと多くの人に知ってほしいという想いはみな同じである。

北見市農林水産部課長の荒川さんは、「北見市ではたまねぎの生産は、加工などの二次産業、輸送や飲食などの三次産業へとつながる重要な産業。北見たまねぎがブランドになり、価値を高めることによる地域への波及効果も非常に大きいのです。街をあげて積極的にPRすることで、『たまねぎ生産日本一の街』と、全国のみなさんに認知されるようにしたいですね」と話す。

ブランド力の向上は、生産者の生きがい向上に比例する イメージ

また北見市はたまねぎ以外にも日本の農林水産業の重要拠点だ。北見市農林水産部長の武田さんは、「ホタテの水揚げ量や、白花豆、ビートの作付面積も国内一なんです。北見たまねぎが広く認知されれば、『北見の食べ物は美味しい』と知られる機会が増えるかもしれない。そうすれば生産者のみなさんの生きがいも更に大きくなると思うのです」と話す。

地域の期待を背負って展開される北見たまねぎのブランド化だが、取り組みが軌道に乗るまでは、商談の場で「北見産ではなく、一般に認知されている北海道産として売りたい」「安く売ってくれるならたくさん仕入れてもいい」などと言われることもあるかもしれない。丸山さんは語る。「儲かる、儲からないではなくて、この地域のためになるかならないかを念頭に置いて取り組んでいきたい。みんなでつくってきた日本一の北見たまねぎを、地域のみなさんのために広めていきたい。だから、どんな場面でも自信をもって「北見たまねぎ」であることをアピールしていきます」

ブランド力の向上は、生産者の生きがい向上に比例する イメージ

北見地域には、これまで培ってきた生産技術とプライドがある。これに加えて、北見たまねぎがブランドとして広く認知され、市場からのニーズが高まれば、より多くの生産につながり、地域の収益力も向上していくであろう。日本の食料供給基地である北海道の北見地域では、日本一のその先を切り拓くための挑戦が始まっていた。

助成先の組織概要

MAP

株式会社グリーンズ北見

地元農協、北見市、北見振興公社、民間企業の出資により、昭和62年に設立。北海道北見地域のたまねぎを年間18,000トン加工し、出荷している。オニオンソテー、ペースト、IQF(個別急速冷凍製品)、コロッケ、オニオンスープなどを製造販売。「北見ブランド」を最終消費者まで届けることにより、地元特産品であるたまねぎの販売力強化と、生産農家からの買取量の増加を目指す。

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